2019年の今日、桜が満開で、お天気も晴れ、パーフェクトな朝8時、日本初のparkrunが東京の二子玉川でスタートしました。
7時半頃、河川敷へのスロープから人がまばらに少しずつ集まって来て、やがて途切れなくやって来て集まったのは約350人。
何が始まるんだろうとキョロキョロする人、慣れた様子の外国人たち、やる気満々のランナー達、そこに集まった人々は近くにいる人たちと楽しそうに話し始めてなんだかワクワクしてきました。
そして、はるばる英国から駆けつけたparkrun創設者のポール・シントン-ヒューイットからの挨拶、その友人であるパラリンピックメダリストのノエル・サッチャーの日本語通訳があり、次には世界共通のスタート前のブリーフィング、初参加者歓迎ブリーフィングがありparkrunは8時ちょっと過ぎ(時間厳守の日本では珍しいですよね)にスタートしました。
こうして、日本も世界のparkrunファミリーに仲間入りをしたのでした。
28人のボランティアに支えられ、343人がウォーキングやジョギング、ランニングをそれぞのペースで楽しみました。緊張していた人、なんとなく来てみた人、はるばる海外からこのparkrunだけのために来日した人、全速で駆け抜けたランナー達、友達と和気藹々でおしゃべりしながら、ベビーカーに乗った赤ちゃん連れの家族、みんな笑顔でいっぱいでフィニッシュラインを通過していきました。
その後はもうご存知の通り「一体感」でいっぱい。どんなペースであれ、一緒に5キロを成し遂げた連帯感で、知らない人たちとも自然に会話が弾んでいました。ワクワクの共有体験と表現してくださった、あやのさんの記事はこちら。
近くのカフェでは、スタート前まで見知らぬ人だった人たちが一つのテーブルを囲んで、以前からの友達のようにparkrunについての話が盛り上がっている光景がありました。実は、未来のイベントディレクター達やそのきっかけとなる人たちも参加していました。その時には、1年後に14箇所にまで広がり、2年後には22箇所と登録者が1万人を超えるとは想像もしていませんでした。
二子玉川の最初のイベントでキョロキョロよそ見しながらママに連れられて最後尾を歩いていた男の子は、もうママが追いかけるほどに走っています。最近では、一緒に走るのはパパの仕事。子供の成長、家族の成長が見られて微笑ましいです。
今では日本の各地でもママやパパがベビーカーを押して参加する姿が見られます。一方、70代、80代の方々も元気に歩いたり走ったりと参加されています。(柏の葉parkrun最高齢ランナーの柳田さんの記事はこちら)
ウォーキングから始める人たちも、ランナー仲間だけで交流していた人たちも、parkrunではみんなが同じ目線で繋がっていって、お互いの違いを尊重し、世代、性別、社会的立場、国籍を超えて、普段の生活では出会わなかったであろう人々の繋がりが生まれ、ひとつのparkrunコミュニティを作り上げています。(ブラインドランナーの中野さんの記事はこちら)
現在イベントディレクターをされている方々は、このparkrunに興味をもち、少しの勇気を振り絞って本部に連絡してくださり、少しづつ準備をして周りの人たちに助けられながら、今では各コミュニティのリーダーとなって地元のparkrunを見守って運営してくださっています。
また、各イベント参加者から「わたしも自分の地元にparkrunイベントが欲しい!」と立ち上がってイベントディレクターとなられた人たちもいます。(近隣のparkrunボランティアから始めて、ついに新しいイベントを立ち上げることになった石川さんの記事はこちら)
それに、ソーシャルメディアでparkrun Japanの様子を見て、「なんだか良さそう」と思い本部に連絡したのがきっかけで、今ではイベントを立ち上げるまでになった人たち。
こうやって、parkrun Japanは少しづつ確実に成長してきました。そして、今も成長し続けています。
新型コロナウイルスという予想もしなかったパンデミックにより、parkrun Japan1周年を目前にして全世界のparkrunが停止し、日本では約8ヶ月の休止となりました。
その自粛期間の中、できる範囲でコツコツと準備をして行った結果、昨年の再開後には8箇所の新しいイベントが誕生しました。再開後のイベントはコロナ感染防止対策を取り入れた今までとは少し違ったものとなりましたが、今までと同じparkrunの精神と、そこに参加する人たちの笑顔には変わりありません。
改めて人と人との交流、つながりの重要さを実感し、便利なオンラインだけでは満たされない対面するコミュニケーションの必要性を感じ、またこうして再び会えることに感謝しています。
現在もまだコロナ禍にあり、先の見通しを立てることが難しい状況にありますが、こんな時勢だからこそ、より健康とメンタルヘルスを重視し、セルフケアが大事になってきています。
今まで日本になかった新しいかたちのコミュニティイベントであるparkrunを、これからも世界中で人々が健康でハッピーになれる場所を、多くの人たちと一緒に創っていきたいと思います。
#loveparkrun
岡田 智麻希(A2631954)
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